高専から大学へ編入者数 約10年後でこう変わった
高専から人気の大学や難関大学の3年次(一部の大学は2年次)へ編入した学生の数が、約10年間でどれだけ変化したかを調べ、その特徴を紹介する。
一部の大学の合格者は10年で大きく変化
高専機構が公開している最新の資料(2018年・2021年分)と、私が手元に残っている過去の資料(2010年・2012年分)をもとに、高専生に人気の大学(東工大・旧帝大)と技科大の合格者数を下の表に比較した。
2010年 | 2012年 | 2019年 | 2021年 | |
---|---|---|---|---|
東京工業大学 | 33 | 35 | 32 | 26 |
北海道大学 | 27 | 24 | 31 | 34 |
東北大学 | 46 | 33 | 33 | 32 |
東京大学 | 15 | 14 | 16 | 18 |
名古屋大学 | 16 | 18 | 17 | 24 |
京都大学 | 9 | 3 | 不明 | 不明 |
大阪大学 | 57 | 45 | 32 | 39 |
広島大学 | 31 | 35 | 19 | 29 |
九州大学 | 35 | 28 | 55 | 57 |
長岡技科大 | 362 | 307 | 289 | 305 |
豊橋技科大 | 302 | 356 | 341 | 335 |
(表は高専機構ー就職・進学データ資料をもとに作成)
長岡技科大の合格者が約2割減った一方で、豊橋技科大は約1割増えている。技科大は高専生のために開校した学校であり、全体的に合格者数が減って寂しい気持ちにもなるが、高専生の在学者自体が年々減っているため妥当な措置である。
旧帝大を見ると、東北大や阪大は大きく減る一方、名古屋大や九大は大きく増えている。また最難関である東工大・東大・京大は合格者数自体が毎年少なく、とても狭き門だ。
都会の大学に人気が集中
2021年度における高専生の大学別編入者数が高専機構から公開されている。
(出典:日経ビジネス電子版ー技術者教育の「国立高専」)
先ほど紹介した東工大・旧帝大以外にも筑波大・神戸大・千葉大・電通大・農工大は難易度が高く、その中で筑波大・千葉大・農工大は合格者も多い。
また高専生が合格した学校を見ると、技科大を除けば政令指定都市にある大学が多い一方、地方の大学は少なく、都会の大学に人気が集中する傾向がある。