大学入試と大学編入の違い
普通の高校生が受験する大学入試と、高専生が受験する大学編入の違いを紹介する。
違いを比較する
下の表は大学入試と大学編入の違いである。
大学入試 | 大学編入 | |
---|---|---|
入学する学年 | 1年生 | 主に3年生 |
受験できる大学数 | 非常に少ない | 非常に多い |
合格者数 | 毎年ほぼ固定 | 毎年変動 |
学部変更 | ほぼ不可能 | 一部で可能 |
主な勉強法 | 塾 | 独学 |
推薦入試 | あり | あり |
学費免除 | あり | あり |
それぞれの特徴を詳しく解説する。
入学する学年が異なる
入試は1年生から
大学入試で合格すると、大学1年生から入学する。
編入は主に3年から
一方、高専生が編入試験で合格すると、大学3年生から入学する。ただし、東大や京大などの一部の大学は、2年生からの入学となる。
受験できる大学数は大違い
大学入試は国公立1校に絞る
大学入試では、国公立大学を志望する場合、通常は最初に合格した大学にしか入学できない。
そのため浪人せずに国公立大学を合格するには、確実に合格できる大学を1校だけに絞って受験する。
大学編入は何校でも受験できる
一方、大学編入の場合、高専受験計画―高専は大学に何校でも受験できるで詳しく紹介したが、国公立大学に何校でも受験可能だ。
そのため浪人しにくいし、自分の学力に関係なく、様々な大学に挑戦できる。
合格者数が異なる
大学入試では毎年同じ
大学入試では、合格者数は大学ごとに毎年ほぼ同じである。
大学編入では年によって変動
一方、編入試験の場合、大学の留年や退学によって減った分だけ、新入生を受け入れるため、同じ大学であっても受験する年によって変動する。
勉強法は大きく異なる
大学入試は塾が中心
大手の塾であれば、大学ごとに入試の傾向や対策方法を徹底的に分析しており、塾を中心に勉強することで、志望校に合格しやすくなる。
大学編入は独学が中心
一方、高専生の中に塾に行く学生はほとんどおらず、特に難関大学に進学する高専生は塾へ行かない。
なぜなら、学習する内容が普通の高校と異なり、普通の塾では対応できないため、塾に行くメリットがほとんどないためだ。
そのため、独学で受験勉強をする。
学部変更は限定的
大学在学中の変更はほぼ不可能
大学在学中に、例えば医学部から薬学部へ、といった学部を変更することは、制度上可能だが、実際には不可能な方法である。
なぜなら学部変更を認めてしまうと、学部ごとに定員割れや定員超過が発生してしまい、国からの補助金が削減されるし、特に定員が超過した場合は、教室や教員の数を増やす必要があるからだ。
大学編入は一部で可能
一方、大学編入の場合、編入する際に学部を変更することが可能だ。
例えば高専の各学科から、経済学部に編入する学生は毎年何人もいる。
また、高専の機械系の学科を卒業して、大学の化学系の学科に編入する、といった学科の変更も可能だ。(ただし、一部の大学のみに認められている制度であり、2年次編入になる場合もある。)
一方、そもそも高専から編入できない学部が多いため、学部の変更は限定的である。
どちらも推薦入試がある
大学入試も大学編入も、推薦入試がある。どちらの試験方法も、書類審査で合否が決まるものや、面接があるものなど、様々な種類がある。
どちらも学費免除がある
大学入試と大学編入、どちらで合格しても、成績優秀者には入学金や授業料といった、学費を免除する制度を設けている大学がいくつかある。