大学編入とは
高専からの大学編入について、基本情報を紹介する。
大学編入とは、大学3年生に進学すること
高専生は5年生を卒業後、大学の工学部や理学部の3年または2年生に入学(編入)できる。
通常は大学3年生に編入するが、単位認定上の都合で、東大・京大などは2年生に編入となる。
選抜方法は多種多様
選抜方式は筆記試験+面接のみが最も多いパターン。面接はあまり重視されない場合や、小論文も出題される場合がある。
また、筆記試験のみや、書類審査のみというパターンもある。
推薦入試を受けるには、高専時代の成績がある水準以上必要だ。その水準は「クラス順位が20%以内」や「評点の平均点が80点以上」など、学校によって異なる。
試験の時期は、6月~8月が中心
編入試験の試験日は、早いところでは5月、遅いところでは12月であるが、6月~8月を中心に実施するところが多い。
通常、推薦や学力試験は年に1度しか実施されないが、大学によっては前期と後期に分けて2度実施するところもある。
国公立大学を何校でも受験できる
普通の高校生なら、最大でも国立1校+公立1校しか受験できない。
しかし、高専生は私立・国公立大学を何校でも受験できる。理由は、試験開催日が大学によってバラバラで、受験日が重なることはほとんどないためだ。
ただし、1校あたり約3万円の受験料+交通費がかかるので、経済上の理由で、受験校が多い人でも5校程度しか受けない。
センター試験なし、試験科目は少ない
国公立大学を受験する場合、センター試験と2次試験の勉強が必要だ。理系の大学を受ける場合、センター試験には5教科7科目が課せられる。
しかし、高専から大学へ編入するとき、センター試験はない。一般の編入試験では数学・英語・化学・物理・(高専で習った)専門科目の内、数学・英語を中心に1~5科目程度しかない。
試験は基礎的な問題が多い
試験問題の難易度は低く、基礎的な問題が出題される。(ただし、難関大学の試験問題の難易度は高い。)
試験問題を作成する際には、誤字・脱字・問題の間違い等のチェックに時間と費用がかかる。また、大学入試と違い、高専生用の試験は受験者数も少ないため、大学側は時間や費用を掛けたくない。
そのため、参考書に載っている無難な基礎問題を利用したほうが、出題ミスもなく短期間で問題作成ができるため、基礎的な問題が出題される。
注意:所属している学科の専門以外への編入は困難
もし、化学系学科に所属しているなら、大学への編入する学科は化学系に限定される。
なぜなら、化学系の単位しか取得していないからだ。しかし、国公立大学によって入学基準が異なり次の3つに別れる。
- 化学系の学生が化学系以外の学科に編入すること自体を許可しない大学
- 2年生編入なら許可する大学
- 通常通り3年生から編入可能な大学
教員は化学系の授業を履修していない学生に対して化学の授業を教える必要があるため、学校側の負担が増える。そのため、学校は専門知識を持っていない学生を受け入れにくい状況があるのだ。