人のマネは上達するが、パクリは上達しない
人の技能や知識を見て自分も取り入れようとする際、マネとパクリがあるが2つは大きく異なる。この2つの違いについて詳しく解説する。
マネはすべてを盗むが、パクリは都合の良い部分だけを盗む
下の表はマネとパクリの違いを比較したものだ。
マネ | パクリ | |
---|---|---|
例 |
習字 スポーツ |
小説の盗作 デザインの模倣 |
盗む範囲 | すべて | 都合の良い部分 |
技能 | 上がる | 上がらない |
パクリは都合の良い部分しか盗まない
みなさんが小学校で習字を習った際、「筆の持ち方」から「文字の書き方」までお手本通りにマネしたと思うが、マネとは細部に至るまで徹底的に盗むことである。
一方、パクリとは都合の良い部分しか盗まないことである。例えば小説をパクる際は、物語の構成や各登場人物の特徴だけを盗み、それ以外の特徴は盗まない。
パクリは技能が上達しない
パクリの特徴は、都合の良い部分しか盗まないため技能が上達しないことである。
例えば既存のキャラクターのデザインを盗んで漫画を出版した場合、努力してデザインを学んでいないので、当然ながらデザインの知識や技能はほとんど上達しない。結果、新たなキャラクターを造るには、またパクって描くしかないのである。つまり「パクる」という選択肢しか選べないのだ。
これはプロ野球選手の「マネ」をして毎日練習している野球少年とは大違いである。たとえプロ選手になれなくても、練習で身に着けた知識や技能を他の分野で活かせるため、人生の選択肢が広がるのだ。