働いたら負け!祖父と孫で1億円違う世代間格差
税と社会保障の世代間格差が祖父と孫の間で約1億円もある。今の若者は働くほど税負担が重くなり、福祉は低いままだ。
年金は、今の若者が損をする仕組み
働いたら負け。
私はインターネットでこの言葉を何度も目にしたが、日本の税と社会保障の世代間格差の関係を見れば、この言葉がいかに正しいかがよくわかる。なぜなら、払う税金と受ける社会保障が祖父と孫の間で(学者によって金額は異なるが)約1億円違うからだ。
そもそも世代間格差とは、一生涯に国や自治体から受け取る医療・年金・介護などの社会福祉サービスと、税や借金などによる負担の差が、世代によって異なる事から生じる格差のことである。
学習院大学教授の鈴木亘氏によれば、下のグラフのように日本には世代間格差があり、若者ほど損をしていることがわかる。
(出典:2030ビジョン・コミュニティ-世代間格差の現状と課題)
年金にいたっては、今の若者が平均的な税金を払い平均寿命で死ねば、確実に損をする仕組みになっている。
改善しようとした政治家や政党は選挙で負けた
かつて、この世代間格差を改善しようと、高齢者の税負担を上げようとした政治家や政党は存在したがほとんど選挙で負けた。
一方、高齢者を優遇する政策は今でも続けている。例えば、2015年12月、安倍政権が1100万人以上の年金受給者に3万円を給付することを閣議決定したことが、典型的な事例である。
そもそも、2013年度時点で、65歳以上の高齢者は日本の総人口に占める割合は25パーセントに達し、選挙にも積極的に参加する。
高齢者を優遇する社会保障政策を実施した方が選挙に勝てるので、今後も日本の社会保障制度が崩壊するまで高齢者優遇の政策は続くでしょう。