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新卒一括採用があるのは日本と韓国だけ

日本の多くの学生は新卒一括採用によって企業へ就職するが、新卒一括採用があるのは日本と韓国だけであり、日本は法律により正社員をクビにするのが難しいため新卒一括採用が続いている。

新卒一括採用とは

新卒一括採用とは、企業が在学中の学生に対して毎年求人を出し、採用試験を行い、卒業後すぐに入社させるという採用手法のことである。

韓国にも新卒一括採用はごく一部あるが、日本ほど広範囲に行われておらず、新卒一括採用があるのは事実上日本だけであり、欧米には存在しない。

日本の正社員をクビにするのは世界で一番難しい

企業が新卒一括採用を採用しているのは、日本の正社員をクビにするのが世界で一番難しいからだ。「若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来」の著者・城繁幸氏の研究では、日本は正社員の解雇規制が世界で最も厳しいのが現状である。

日本には解雇自由化の法律がなく、日本の法律そして最高裁の判決でも、相当な理由がない限り労働者は解雇されない仕組みとなっている。

よって、新卒採用にしろ中途採用にしろ、一度雇った労働者を解雇できないのなら、企業としては優秀な人材を他社よりも早く獲得する必要があり、一般企業が新卒一括採用で労働者を集めるのは合理的な選択である。

解雇自由化の時代は来ない

解雇自由化になれば、若者や実力がある労働者は得をするが、中年や年配の労働者が損をする。

一方、若者に比べ、中年や年配の労働者の方が選挙の有権者数や投票率が多く、どの政党も労働の自由化を訴えているが、選挙票が欲しいので欧米並みの解雇自由化の法律を作ろうとはしていない。

よって、解雇自由化が実現されない限り、新卒一括採用は今後も続くでしょう。