高専卒業生の入社後の待遇が判明
高専機構が高専卒業生を対象にしたアンケート調査を実施し、高専卒業生が企業に入社後、配属先や賃金、昇進といった面で、どのような待遇を受けているのかを調査した。
そこで今回は、高専卒業生の待遇について紹介する。
配属先は6~7割が大卒と同じ
下の表は、高専機構の資料をもとに作成したものである。
「修士課程卒」あるいは「大学卒」に類似 | 大学卒と高卒の中間 | 高卒に類似 | |
---|---|---|---|
卒後5年以内 | 60.5% | 29.0% | 10.5% |
卒後6~10年 | 53.4% | 29.1% | 17.5% |
卒後11~20年 | 63.5% | 27.4% | 9.1% |
卒後21~30年 | 68.5% | 22.5% | 9.0% |
卒後31年以上 | 70.1% | 22.7% | 7.1% |
(高専機構-平成23年度国立高等専門学校卒業生アンケート調査 調査結果の概要をもとに作成)
また、この表をもとに下のグラフを作成した。
データから、高専生の6~7割が、「修士課程(大学院2年間)卒」あるいは「大学卒」に類似する職場に配属されている。
一方、一部を除いて、高卒と同じ配属先となるのは1割未満なので、配属先に関する待遇はかなり良いことがわかる。
賃金は大卒よりも下回る
賃金に関する表とグラフは、次の通りだ。
「修士課程卒」あるいは「大学卒」に類似 | 大学卒と高卒の中間 | 高卒に類似 | |
---|---|---|---|
卒後5年以内 | 34.0% | 58.2% | 7.8% |
卒後6~10年 | 35.5% | 50.8% | 13.8% |
卒後11~20年 | 41.5% | 50.2% | 8.3% |
卒後21~30年 | 47.0% | 44.5% | 8.5% |
卒後31年以上 | 43.1% | 50.7% | 6.2% |
(前出の高専機構の資料をもとに作成)
先ほど紹介した配属先に関する待遇とは異なり、賃金は「大学卒と高卒の中間」になる割合がトップだ。
つまり、賃金面では、あまり優遇されていないのだ。
ただ卒業後の期間が長いほど、つまり勤務期間が長いほど、「修士課程卒」や「大学卒」と同じ賃金に近づいているため、学歴以外の面で賃金が決まっていることがわかる。
昇進も優遇されている
昇進に関する表とグラフは、次の通りだ。
「修士課程卒」あるいは「大学卒」に類似 | 大学卒と高卒の中間 | 高卒に類似 | |
---|---|---|---|
卒後5年以内 | 48.4% | 42.8% | 8.9% |
卒後6~10年 | 46.0% | 38.6% | 15.3% |
卒後11~20年 | 49.8% | 39.8% | 10.4% |
卒後21~30年 | 55.5% | 35.5% | 9.0% |
卒後31年以上 | 57.4% | 36.5% | 6.2% |
(前出の高専機構の資料をもとに作成)
昇進に関しては、「修士課程卒」や「大学卒」と同等という意見が最も高い。
よって高専機構の調査から、高専卒業生は、学業期間が大学より2年間短いが、配属・賃金・昇進といった待遇面で優遇されていることがわかった。