日本人の収入は下がり続ける
グローバル化による賃金低下に加えて、日本国内の不平等の拡大により、将来、日本人の収入は下がり続けるでしょう。
年収は毎年下がっている
近年、日本人の平均年収は毎年減少している。下のグラフは名目賃金と実質賃金の推移を示したものである。
※名目賃金とは通常の賃金のこと。
※実質賃金とは物価の上昇を考慮した賃金のこと。(名目)賃金が2倍になっても、物価が2倍になれば、実質賃金は変わらない。
(出典: PRESIDENT Online『1% -やっぱり!アベノミクスで「実質賃金」下落』)
三菱UFJリサーチ&コンサルティングによれば、今後も日本人の賃金が下がることを予想している。
先進国では労働者の賃金が徐々に低下
グローバル化が進むにつれ、企業は賃金の安い国へ生産を委託するため、人件費や物価が世界で同じ水準に近づいている。
実際に、発展途上国では労働者の賃金が急上昇していく一方で、先進国では労働者の賃金が徐々に低下している。
世界的に見れば日本の賃金は非常に高いので、今後、日本人の収入はどんどん下がっていくでしょう。
国内では中間層や貧困層がさらに苦しくなる
フランスの経済学者であるトマ・ピケティ氏(下の書籍の方)が、過去200年以上のデータを分析したところ、資本家(投資家・経営者)の財産の増え方は、国の経済成長率よりも高いことが判明した。
つまり、国が成長して豊かになっていくのは資本家だけであり、労働者の暮らしは豊かにはならない、ということだ。
そのため、富裕層は富を増やし続ける一方で、中間層や貧困層はさらに貧しくなっていく。
世界的に見れば、日本の格差はまだ低いが、グローバル化が進む中で、将来的には発展途上国なみの高い格差に近づいていくでしょう。