日本で年功序列がいまだに根強く残る理由
日本は年功序列が根強く続いており、成果主義へなかなか変わらない。日本の企業が年功序列にこだわる原因を解説し、成果主義へ転換する動きを紹介する。
根強い年功序列制度
現在、日本の多くの企業では勤続年数によって給料が決まる、いわゆる「年功序列」を採用している。一方、仕事の成果で給料が決まる、いわゆる「成果主義」を全面的に採用している企業は少ない。
城繁幸氏の著書「若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来」によれば、社内の労働者が集まる会議で、若い労働者から成果主義への要望があっても中堅以上の労働者から反対される。
なぜなら、成果主義になれば中堅以上の労働者は給料が増えるかもしれないが、クビになるリスクを背負ってしまうからだ。しかも、中堅社員が会社をクビになれば、高齢のため再就職も難しく、車のローンも住宅のローンも払えなくなるのだ。
労働者が集まる会議では、一般的に若手が少なく中堅以上の労働者が多い。結局、労働者側は年功序列の維持を訴えることになる。
また、経営側も高齢であり、自分たちの身分を守るために年功序列の維持を承諾しており、労働者と経営側双方の一致により年功序列が日本で根強く維持されている。
経営難が成果主義を後押し
日本の経済成長は止まり、日本の企業はもはや年功序列を維持する力がない。
そこで今、海外で優秀な人材を確保したいグローバル企業は成果主義へ変更しようとしている。その例が日立だ。
下の動画で紹介されている通り、日立はこれまで7割を年功序列、3割を成果主義にしていたが、2014年10月から100パーセント成果主義に変更する。
日本は少子化が進む中で優秀な人材は減り、年功序列を維持できる企業も減り続けている。
よって、今後も日立のようにグローバル企業は年功序列を廃止し、成果主義を導入する企業が増えてくるでしょう。
すでに成果主義を導入している企業の特徴
先ほどの城氏によれば、キヤノンはすでに成果主義だ。キヤノン株の外国人持ち株比率はかつて50パーセントを超えており、おそらく外国投資家の影響が大きいのでしょう。
日本企業に比べ、外資系企業は成果主義が多いが、社長が外国人の日産自動車も成果主義であり、グローバル化を進めたいソニーやパナソニックも年功序列を廃止する予定だ。
つまり、外資系企業やグローバル企業は成果主義を導入している企業が多いのだ。よって、成果主義を好む人は外資系企業やグローバル企業への就職がオススメだ。